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赤毛のアン 〜毎日読むアン〜
温かいこの地方でも、今年はよく雪が降った。
気象庁は朝になって、慌てて昨日の予報を "雪時々晴れ" に訂正した。
ところが、 エイブおじさんの "嵐" はその逆だった。
「春に嵐が来る。」
この予言を、ギルバートがシャーロットタウン日々新聞の "アヴォンリー便り" に
書き送ったのだ。
エイブおじさんのお天気の予言は、当たった試しがないのに、
5月23日の午後7時と、日時まで指定して…。
そして当日。 本当に嵐はやって来た。 書いた通りに嵐はやって来た。
家庭内離婚生活をしていた当時、 バカ亭主について、話した内容から
その日の行動に至るまで、細かく書き残すようにしていた。
決して面白いとは言えない内容ばかりだが、中には "昨夜の夢" と言ったような
たわいもないものに、下手なイラストを描き添えたりした日もあった。
"昨夜の夢" に、らくだが現れた。 長くて黒いまつ毛に囲まれた、大きな涙目。
ベドウィンの娘の様に誇り高い私は、 らくだに乗って砂漠を旅する。
私は随分昔から、砂漠の風景に心惹かれていた。
風によって創り出される砂の造形が、横たわる裸婦の様にエロティックである。
なにもないのに、飽きることがない。
目的地は… わからん…。 けど、どっかに向かっているわけよ。
昼間の暑さが去った夜、 私は一人で大地にうずくまり、星と砂だけの空間に
取り残される。
らくだの背中にもたれて星を占ったり、古い歌を唄ったりして眠った。
独りでも寂しくはなかったけれど、語り合う相手がいないことが辛かった。
長い旅になりそう…
らくだは本来凶暴な動物らしい。 しかし私の乗るらくだは、変わり種。
まつ毛の長い、 涙目のらくだ。
夜になると、 歩きずめで疲れた足をさすってくれと、哀願する。
「ワシ、寝られんわぁ。 だから、あんたも寝んといてくれ〜」
結構わがままねぇ…
目が覚めてすぐに、らくだの絵を描いた。 ロバみたいになった。
イラストは下手なのだが、これは残しておかなければならん。
巡り逢える日のために…。 何となくそんな気になっていた。
このラクダに見覚えありませんか?
「この手のラクダは、ここら辺りじゃごろごろいるサ。
悪いナ…。 他をあたってくれないか。」
らくだはものを言わなかったが、 砂漠の静寂のなかで私は、はっきりと彼の声を
聞き、 確かに語り合ったのだ。
らくだはしばらく、私の心の中に居たけれど、 現実にはどこにいるのか
わからない。
生身の私は、 抱き合ったり手を繋いだりできなければ、満足する事はない。
私の旅は、自立への旅だったように思う。
離婚して一人になったから自立した、とは言えないのだ。
一人で生きて、楽しむ術を覚えなければ。 休みの日には海までドライブした。
映画を観た。 "おひとり様" で、食事もした。
一人で何をしてみても、 苦しいばかりの違和感を感じるばかり。
気の合う人と、共に会話したいと思った。
この快楽とも言える楽しみが与えられるよう、祈った。
夢のらくだが人になって現れますように。
「アンタ、 ラクダの何なのさ?」
最近気付いたんだけど、 それって… "赤毛のアン太郎" かも??
まつ毛は長いし、 あくびばっかりしていつも涙目だし、 結構わがままな
とこもあるし…。
夢に見たラクダが側に居た、って訳? とんでもないこじつけだと笑われる。
運命的な出逢いと思い込むのは危険でもある。
ところが私は、自分の馬鹿さ加減を信じたの。
日記に書いた通り、 日々語り合い、慰めあう生活をしているからだ。
自分の直感に従って生きるとは、どういう事だろう。
世間の常識や周囲の目、空気を読んで、 考えに考えてもどうして良いのか
判らなくなってしまったら…。
誰かが言っていた。 「考えることを止めるんだ。」
自分が正しいと思える直感に従うしかないだろう。
「彼が、 あの夢のラクダです。」
No.65 『第24章 夢のお告げ』
温かいこの地方でも、今年はよく雪が降った。
気象庁は朝になって、慌てて昨日の予報を "雪時々晴れ" に訂正した。
ところが、 エイブおじさんの "嵐" はその逆だった。
「春に嵐が来る。」
この予言を、ギルバートがシャーロットタウン日々新聞の "アヴォンリー便り" に
書き送ったのだ。
エイブおじさんのお天気の予言は、当たった試しがないのに、
5月23日の午後7時と、日時まで指定して…。
そして当日。 本当に嵐はやって来た。 書いた通りに嵐はやって来た。
家庭内離婚生活をしていた当時、 バカ亭主について、話した内容から
その日の行動に至るまで、細かく書き残すようにしていた。
決して面白いとは言えない内容ばかりだが、中には "昨夜の夢" と言ったような
たわいもないものに、下手なイラストを描き添えたりした日もあった。
"昨夜の夢" に、らくだが現れた。 長くて黒いまつ毛に囲まれた、大きな涙目。
ベドウィンの娘の様に誇り高い私は、 らくだに乗って砂漠を旅する。
私は随分昔から、砂漠の風景に心惹かれていた。
風によって創り出される砂の造形が、横たわる裸婦の様にエロティックである。
なにもないのに、飽きることがない。
目的地は… わからん…。 けど、どっかに向かっているわけよ。
昼間の暑さが去った夜、 私は一人で大地にうずくまり、星と砂だけの空間に
取り残される。
らくだの背中にもたれて星を占ったり、古い歌を唄ったりして眠った。
独りでも寂しくはなかったけれど、語り合う相手がいないことが辛かった。
長い旅になりそう…
らくだは本来凶暴な動物らしい。 しかし私の乗るらくだは、変わり種。
まつ毛の長い、 涙目のらくだ。
夜になると、 歩きずめで疲れた足をさすってくれと、哀願する。
「ワシ、寝られんわぁ。 だから、あんたも寝んといてくれ〜」
結構わがままねぇ…
目が覚めてすぐに、らくだの絵を描いた。 ロバみたいになった。
イラストは下手なのだが、これは残しておかなければならん。
巡り逢える日のために…。 何となくそんな気になっていた。
このラクダに見覚えありませんか?
「この手のラクダは、ここら辺りじゃごろごろいるサ。
悪いナ…。 他をあたってくれないか。」
らくだはものを言わなかったが、 砂漠の静寂のなかで私は、はっきりと彼の声を
聞き、 確かに語り合ったのだ。
らくだはしばらく、私の心の中に居たけれど、 現実にはどこにいるのか
わからない。
生身の私は、 抱き合ったり手を繋いだりできなければ、満足する事はない。
私の旅は、自立への旅だったように思う。
離婚して一人になったから自立した、とは言えないのだ。
一人で生きて、楽しむ術を覚えなければ。 休みの日には海までドライブした。
映画を観た。 "おひとり様" で、食事もした。
一人で何をしてみても、 苦しいばかりの違和感を感じるばかり。
気の合う人と、共に会話したいと思った。
この快楽とも言える楽しみが与えられるよう、祈った。
夢のらくだが人になって現れますように。
「アンタ、 ラクダの何なのさ?」
最近気付いたんだけど、 それって… "赤毛のアン太郎" かも??
まつ毛は長いし、 あくびばっかりしていつも涙目だし、 結構わがままな
とこもあるし…。
夢に見たラクダが側に居た、って訳? とんでもないこじつけだと笑われる。
運命的な出逢いと思い込むのは危険でもある。
ところが私は、自分の馬鹿さ加減を信じたの。
日記に書いた通り、 日々語り合い、慰めあう生活をしているからだ。
自分の直感に従って生きるとは、どういう事だろう。
世間の常識や周囲の目、空気を読んで、 考えに考えてもどうして良いのか
判らなくなってしまったら…。
誰かが言っていた。 「考えることを止めるんだ。」
自分が正しいと思える直感に従うしかないだろう。
「彼が、 あの夢のラクダです。」
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