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赤毛のアン 〜毎日読むアン〜
無から有は生まれない… 原因があり、結果がある。
とすると、 自分の考えと思っていたことも、本当は何処からかの借り物の
様に思えて、 ひとつずつ調べてみたくなる。
たとえば、 友達と友情について考えてみた。
高校生の頃だったと思う。
友達をつくるために学校に行け、さもなくばお酒を飲め、 と父に教わった。
友達を持つことがなによりいい、と話してくれた。
本音で付き合えと言いたかったらしいのだが、下戸の父は飲み友達がいないのが
残念だったらしい。
「酒の飲めるヤツはいい。 友達が沢山いる。」
そう言っては、コップ一杯のビールで真っ赤になって寝ていた。
大学生になって、かなりお酒は飲んだけど、 私は友達がいるから飲むんだよ、
お父さん。
本音で付き合うから友達になれるわけだ。
お酒が入ると、普段は心に納めている "一言" が、間髪置かずに出てしまう。
それを私は、 "飲んだくれの赤毛のアン" 状態と呼びたい。
感じたままに、思うままに言葉を発して、 どう思われてもいいや、と思う。
それが最近では、飲んでいなくても意識して思ったことを誠実に、
口に出せるようになってきた。
そうでないと、この歳になっていい友達はつくれないからだ。
私は変わり者にもかかわらず、友達に恵まれていると思う。
しかも皆、似た者同士の変わり者揃いである。
これはもう間違いなく、友達との付き合い方、出会い方をアンから
教わったからだと思っている。
真の友達は人生を美しくするものだと、アンが話しているのを私はしっかりと、
心に留めていたのだ。
だが、 暇な時間を潰すための仲良しさんとはすぐにくっつけるだろうが、
本物の合呼ぶ魂に出逢いたかったら、慎重にしなければならない。
一番大切にしていることは、この人ともっと話してみたいという "ひらめき" だ。
そして、偶然の出会いが訪れるのを待つ。
がつがつ押しかけて行きたいところを我慢して、 一言二言と積み重ねていく。
雪の降った寒い夕方。 仕事帰りに立ち寄るマーケットで、マンションの同じ
フロアに住む女性と、レジで偶然ばったりと出会った。
時々言葉を交わすこのご婦人は、歳は私と変わらない様に見えるが、ひどく窶れて
疲れ切った風情の方で、 友達になりたいという気にはならない方なのだ。
彼女はマーケットの近くの会社に勤めていて、バスで通勤していると聞いていた。
以前にも何度か、とぼとぼと歩く姿を車の中から見掛けたことがあった。
これも何かの巡り合わせかな…
「私の車で一緒に帰りませんか?」 誘ってみた。
雪は雨に変わり、 灰色の重たい雲の向こうに、太陽は疲れ切って沈んでいく。
その雲を目指して私達は家路を急いだ。
「ねぇ… マンションの管理人さん、 私、怖いわぁ。 なんであんなに
カツカツした物の言い方なんでしょうね。」
彼女は力なく笑った。
「きっと、頭がいいのよ… はきはきして、賢そうじゃないですか…」
アンが言ってたわ。 人の良い所を見るようにしなくちゃいけないって。
この女性、案外話せる人かもしれない… そう思った。
もし友達になる定めの人なら、また偶然出会うはずだ。
この日は同じマーケットでもう一人、別の女性に出会った。
水回りのコーディネートをする工務店の若奥さんで、私の勤め先の事務所に
二度ばかり来たことのある方だ。
聞けばご自宅の近くには大きなマーケットが二つもあるのに、なんでここに
来たんだろう…。
商売をするにはちょっと危なっかしい若さなのだが、感じのいい人だ。
さて… これがどんな出会いになっていくかな。
そういえばこのマーケット、 私にとって幸運な出会いを運んで来てくれる。
教会でオルガンを弾くきっかけになった方とも、ここで出会った。
でっ、 思い出した。
このマーケットが出来るとき…、 私、地鎮祭に出席したわ!
大昔に生協の役員をしていたことがあり、 店造りに少し関わっていたので、
お招きにあずかったのだ。
う〜ん、 やっぱり "偶然" って大切な要素よね、 アン。
こればかりは自分で段取りできない。
でも、偶然の出会いが訪れ、 友達と呼べる人になれたら…。
私、 気付かないうちに何か良いことでもしたかしら…
なんて、やっぱり思わずにはいられない。
無から有は生まれないでしょ、 アン。
No.56 『第15章 アンに教わったこと』
無から有は生まれない… 原因があり、結果がある。
とすると、 自分の考えと思っていたことも、本当は何処からかの借り物の
様に思えて、 ひとつずつ調べてみたくなる。
たとえば、 友達と友情について考えてみた。
高校生の頃だったと思う。
友達をつくるために学校に行け、さもなくばお酒を飲め、 と父に教わった。
友達を持つことがなによりいい、と話してくれた。
本音で付き合えと言いたかったらしいのだが、下戸の父は飲み友達がいないのが
残念だったらしい。
「酒の飲めるヤツはいい。 友達が沢山いる。」
そう言っては、コップ一杯のビールで真っ赤になって寝ていた。
大学生になって、かなりお酒は飲んだけど、 私は友達がいるから飲むんだよ、
お父さん。
本音で付き合うから友達になれるわけだ。
お酒が入ると、普段は心に納めている "一言" が、間髪置かずに出てしまう。
それを私は、 "飲んだくれの赤毛のアン" 状態と呼びたい。
感じたままに、思うままに言葉を発して、 どう思われてもいいや、と思う。
それが最近では、飲んでいなくても意識して思ったことを誠実に、
口に出せるようになってきた。
そうでないと、この歳になっていい友達はつくれないからだ。
私は変わり者にもかかわらず、友達に恵まれていると思う。
しかも皆、似た者同士の変わり者揃いである。
これはもう間違いなく、友達との付き合い方、出会い方をアンから
教わったからだと思っている。
真の友達は人生を美しくするものだと、アンが話しているのを私はしっかりと、
心に留めていたのだ。
だが、 暇な時間を潰すための仲良しさんとはすぐにくっつけるだろうが、
本物の合呼ぶ魂に出逢いたかったら、慎重にしなければならない。
一番大切にしていることは、この人ともっと話してみたいという "ひらめき" だ。
そして、偶然の出会いが訪れるのを待つ。
がつがつ押しかけて行きたいところを我慢して、 一言二言と積み重ねていく。
雪の降った寒い夕方。 仕事帰りに立ち寄るマーケットで、マンションの同じ
フロアに住む女性と、レジで偶然ばったりと出会った。
時々言葉を交わすこのご婦人は、歳は私と変わらない様に見えるが、ひどく窶れて
疲れ切った風情の方で、 友達になりたいという気にはならない方なのだ。
彼女はマーケットの近くの会社に勤めていて、バスで通勤していると聞いていた。
以前にも何度か、とぼとぼと歩く姿を車の中から見掛けたことがあった。
これも何かの巡り合わせかな…
「私の車で一緒に帰りませんか?」 誘ってみた。
雪は雨に変わり、 灰色の重たい雲の向こうに、太陽は疲れ切って沈んでいく。
その雲を目指して私達は家路を急いだ。
「ねぇ… マンションの管理人さん、 私、怖いわぁ。 なんであんなに
カツカツした物の言い方なんでしょうね。」
彼女は力なく笑った。
「きっと、頭がいいのよ… はきはきして、賢そうじゃないですか…」
アンが言ってたわ。 人の良い所を見るようにしなくちゃいけないって。
この女性、案外話せる人かもしれない… そう思った。
もし友達になる定めの人なら、また偶然出会うはずだ。
この日は同じマーケットでもう一人、別の女性に出会った。
水回りのコーディネートをする工務店の若奥さんで、私の勤め先の事務所に
二度ばかり来たことのある方だ。
聞けばご自宅の近くには大きなマーケットが二つもあるのに、なんでここに
来たんだろう…。
商売をするにはちょっと危なっかしい若さなのだが、感じのいい人だ。
さて… これがどんな出会いになっていくかな。
そういえばこのマーケット、 私にとって幸運な出会いを運んで来てくれる。
教会でオルガンを弾くきっかけになった方とも、ここで出会った。
でっ、 思い出した。
このマーケットが出来るとき…、 私、地鎮祭に出席したわ!
大昔に生協の役員をしていたことがあり、 店造りに少し関わっていたので、
お招きにあずかったのだ。
う〜ん、 やっぱり "偶然" って大切な要素よね、 アン。
こればかりは自分で段取りできない。
でも、偶然の出会いが訪れ、 友達と呼べる人になれたら…。
私、 気付かないうちに何か良いことでもしたかしら…
なんて、やっぱり思わずにはいられない。
無から有は生まれないでしょ、 アン。
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