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 赤毛のアン 〜毎日読むアン〜                           

No.50 『第9章  理想のマンションライフ その3』



まずはひとつ、ご報告しておこう。

我がグリーンゲーブルズマンションの監督者である "管理人さん" が、
今朝初めて、 私に笑顔で挨拶を返してくれた。

彼女の笑顔を見ることなど、皆無に等しい。

特に、 月に一度の "資源ゴミの日" は文字通りの修羅場だ。

当日の朝。 管理人は "資源分別の鬼" と化し、決して笑うことはないのだ。

まさに快挙である。


お正月の1月4日。

郵便を取りにロビーに降りると、管理人さんは早々と出勤していた。

ここは新年のご挨拶をと、管理人室に立ち寄ったのだ。

私に気付くと同時に、 彼女はしばし、固まっていた。

また苦情でも言いに来たか…、という顔付きだった。

実際、そういうヤツらが多いからなのだろうが。

  「今年も宜しくお願い致します。」

あなたが居るから、グリーンゲーブルズマンションの秩序は
辛うじて守られているのだ。


それにしても、 なんでああも "警察口調" でカツカツ言うのだろうと思う。

目つきは鋭く、管理人室に座る姿はまるで刑務所の監守のようで、
とても好感など持てない。


先日、資源ゴミを出した帰り。 ふと見ると、またしても張り紙がしてあった。

  「落書きはやめましょう。 カメラに写っていますよ。」

快適なマンションライフを目指す私にとって、この張り紙はあまりに事務的で、
愛想もクソもない。

行儀の悪い住人を管理するのは大変かもしれないが、私が親なら不愉快になる。

こっちだってその気になれば、 管理のやり方について管理会社に文句を
言ってやれる、って事を忘れてないか。



アヴォンリーの公会堂は、きれいな緑に塗るはずだった。

それが、パイ家の者に仕事を発注したばかりに "真っ青" になってしまった。

改善協会のメンバーも、公会堂の壁も文字通り、 "真っ青" になった訳だ。

今の日本で言うなら、 想像するにその "青" は、ゴミ収集車とかダンプカーに
良く使われている色で、家の壁などには絶対塗らない色なんだろうと思う。

(ちなみに、先日郊外をドライブしていると "その手" の青い壁の建物を
発見した。 かなり悪趣味。 写真を撮るべきだった…)


"注文通りに仕上がらなかった仕事" に代金を支払うなど、
泣き寝入りもいいところだ。

相手がパイ一族であろうが、 塗り直しさせるまで
ビタ一文払うことはないだろうに。

歯ぎしりしながらも、 どうして支払ってしまうのだろうか。



数年前の話。 友人の家に行くと、 日本間の座敷の隅にエアコンのパイプを
通す為の "穴" が開いている。

畳を刳り貫くなど、とうてい考えられない仕事だ。


普通は壁に穴を開けるものでは?と尋ねると、 新築して入居前に、
「とにかく急いで取り付けてくれ」 と業者に電話しておいたら、
こうなっていた、 と真顔で言うのだ。

  「あんた、 新築の日本間に穴開けられて、黙ってお金払ったの?」

一応、業者に聞いてみたそうだ。 そしたら 「壁に穴が開いてなかったから」
と言われたらしい。

  「それで引き下がったの?!」

開いた口が塞がらない。

畳に穴を開けるのはおかしい、と思わない業者もどうかしている。

  「畳一枚弁償させて、やり直しさせなさいよ!」


弱気でどうする。 土木・建築業界にいる私が言うのだから、間違いない。

ゴネたら、大抵のことは何とかなる。

業者はそんな時のために契約書を取り交わし、保険にも入り、
更に弁護士の先生にも顧問料を支払っているのだから、
たとえ弁償することになっても、 大して困りはしない。


我が "○○組" では、 3年前に体育館の撤去をする折、全く関係のない
"サッカーゴール"を一緒にほうり捨ててしまった。

ヤッてしまった社員は 「ボロだったから、捨てるものと思った」 などと
言い訳をしていたが、 立ち会い確認をしなかった発注者にも非があった。

"創業40年の○○組" でも、そんなお粗末な仕事をすることがあるのだ。

で、 話し合いの末、 結局弁償することになってしまった。

当然ながら、我が社の粗利はサッカーゴールの中に消えた。



はっきりしているのは、 畳に穴を開けられた友人も改善協会も、
「甘く見られた」 ってことだ。

しかし。 ここでモンゴメリーが言いたいのは、
"偶然の間違いが良い結果をもたらした" ということなのだ。


「改善協会の若い人達がパイ一族のせいで酷い目に遭わされた」 と、
同情が集まったのだ。

今まで改善協会の活動に理解を示さなかった村人も、こぞって激励を始めたのだ。


これは… とんでもない綺麗ごとだ。 実際、とてもあり得ない。

"管理人さんを笑わせる" なんて事に、涙ぐましい努力をしているような
このグリーンゲーブルズマンションでは、 とても起こりえない話である。

誰にも迷惑かけまいと暮らしている私が、 一部のふとどきな住民のせいで
何でもかんでも "張り紙" で禁止、警告される不愉快な思いをしているのにだ。


だが私は、 管理人さんを "鬼" にしたのはマナーの悪い住民なのだから
仕方がない、とは思わない。

ましてや、 彼女を応援する気になど到底なれない。


むしろ。 我々がお金を払って管理させている "管理人ごとき" に、
なぜ監督されなければならないのか?


私は憤りを感じている。

ここは私のグリーンゲーブルズだ。


posted by 片岡 よしこ at 23:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | バックナンバー
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