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 赤毛のアン 〜毎日読むアン〜                           

No.25 『第25章 クリスマスの思い出』




週末は、寒くもなく暑くもない秋晴れだったのに、
一夜にして秋が深まった。

早くに飾られたクリスマスツリーが、 今日はしっくり空気に溶け込んで、
クリスマスが現実味をおびてきた。



クリスマスプレゼント、 貰ってうれしい?


私の場合、 喜んで受け取ることの出来るプレゼントの上限は3000円。
あとは材料費と手間のみ、 つまり "手造り" の物。

夫とは、彼の借金がもとで離婚したけど、"ミルフィーユがおかずにならない" と
言われたことも微妙に影響していた。


彼からプレゼントを貰うたびに思った。

  「これ…、いったい、いくらなんよ…?」

うっ… 高そうだけど、そんなお金があるなら家計に入れてくれ…

これでまた借金が増えた… のか…


当時はそれでも、気を遣って嬉しそうな笑顔を作ってみたりしたが、
今となっては "お愛想のクリスマスプレゼント" なんて、 もう要らない。



気楽に受け取れるプレゼントがいいと思わない?


"けっさく" なプレゼントを思い起こしてみると、 あるある…

父が母に贈った "掃除機"。


クリスマスに "掃除機" はないわぁ。
しかも掃除は私達の仕事だから、 母はほとんど使わないし。

ちなみにその年、父からの私へのプレゼントは、
ドイツ製の切れ味バツグンの "爪切り" だった。 大笑いだわさ。



手造り部門では、 おじいちゃんの作品

段ボールを重ねて形を作った、 "ツリーを立てる鉢"。


段ボール製だから、もちろん "はりぼて" 仕立て。

それでも、赤茶色の "レンガ造り風" にちゃんとペイントされていて、
"はりぼて" とは思えないくらいどっしりして見える、ツリーにぴったりのヤツ。


ある年のクリスマス。  本物の大きな樅の木が手に入ったのに、
木に見合った大きな鉢が見つからない。

何でもヤッツケのおばあちゃんは、古くなった火鉢を引っ張り出して来たが、

それは中国の枯れ山水の描かれた、ヒビの入ったシロモノで…

そりゃあ "ナシ" でしょう!


思えば、祖父は "クリスマスが何なのか" もよく知らない人だったのだ。

町内の神社の秋祭りの仕切り方はお手の物だが。


そんな祖父が、どうやってあんなにクリスマスらしい雰囲気の鉢を
考え付いたのか、両親や祖母に聞いても「さぁ…」と首を傾げていた。



さて…、 アンの貰ったプレゼントは、あのふくらんだ袖のついた、
最新流行の "パフスリーブ" のドレス。


茶色の光沢のある絹… しかし、それを着たアンの描写がない。

リボンはどこに結んだのか、 お下げ髪なのか、垂らしていたのか。

どんな風に見えたのか。


"なかなかきれいに見える" ことしかわからない、このドレス。

そのドレスを贈るために受けたマシューの試練は、私達読者だけが知っている。

こればかりは、いくらアンの想像力を総動員したところで、知る由もない。

素晴らしいプレゼントの影に、 贈る者の汗と涙有り、 って訳だ。



熊手や干草の種、 掃除機や爪切り…。

祭りのチョウチン選びは上手にできる連中が、不器用に差し出してくれる
クリスマスプレゼント。

  「とっても嬉しい!ありがとう!」



クリスマスの思い出は、プレゼントが貰えない年になっても、永く心に残る。


街角のツリーが一層華やかになる頃まで、

秋の夜長、蒲団の中の足が暖まるまで、 しばらくは、思い出に浸ってみよう。


posted by 片岡 よしこ at 00:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | バックナンバー
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