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 赤毛のアン 〜毎日読むアン〜                           

No.21 『第21章  ミルフィーユ』



いくら風邪で鼻がきかないからって、痛み止めの水薬バニラエッセンス
間違えてケーキに入れるなんて考えられないわ。


これだけは自慢できるけど、私は初めて焼いたケーキから始まって、
これまで一度も失敗したことがない。

スポンジケーキはきめ細かくてフワフワ、クリームはなめらかでトロトロ、
クッキーはパリッと香ばしく、パイはバターの層がきれいに並んでいた。


レシピ通りに作るのが基本だけど、分量や火の強さを加減するのは"想像力"だから、
アンならうまく出来るはずなのにね。



こうまで失敗がないと、たまにはシクじってみたいもんだわ。


ちょっとそそっかしいヒロインが、彼のためにケーキを焼く。

ところが大失敗で半泣きになる彼女を、彼が優しく慰めるのよ。

失敗のおかげで友達になれたり、 愛が芽生えたり…

そういうのに、憧れるわ…



ミルフィーユというお菓子、知ってる?

とても手間が掛かる上に、お菓子作りの基本が全部出来なきゃ作れない。


彼が好きなお菓子だと聞いて、 私、一日中かかりっきりで焼きました。

初めて素人が作ったにしては、上出来だったのよ。

もしこれが失敗だといわれたら、人生って理不尽なことばかり。


ところが彼は喜ばなかった。

理由はいたって単純。 メシのおかずにならないから。


「ケーキは、デザートだろうが」

そんなん わかってるワ!


でも… 一日中ミルフィーユだけに集中してたから、

ご飯なんて、 ご飯なんて… 作れる訳ない。 くたくただもの。


愛が芽生えるどころか、な〜んか我儘な男だと思った。


上手に作ってソンしたわ。

次は "根治水" でも入れたろかと思う。


それで優しく慰められなかったら、 別れてやる


posted by 片岡 よしこ at 00:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | バックナンバー
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