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 赤毛のアン 〜毎日読むアン〜                           

No.15 『第15章  大嫌いな先生』



小学校5年の時の担任が大嫌いだ 40歳前後の男の先生。

黒ぶちの丸眼鏡をかけて、いつも同じ茶色のツイードの上着に、
冬は毛糸のチョッキ、 という、教員を絵に描いたような冴えないスタイル。

何につけ皮肉っぽい、物の言い方が嫌いだった。


最近写真の整理をしていたら、当時の集合写真が見つかった。

  「え〜っ 以外に若いなぁ、 嫌味なヤツにも見えないじゃないの…」

ダメダメ 11歳の私は絶対許さないんだから!



さて、 私の担任教師は、忘れ物をする生徒を根こそぎ撲滅するために、
"教科書を忘れてきた生徒は、その科目の授業中は後ろに立つ"という、
独自の罰則を持っていた。

"教科書のない者は勉強するに及ばず"という訳だ。

常連の男の子達は悪びれもせず、ニヤニヤしながら後ろに立ったが、
女の子でこの罰を受けた子は一人もいなかった。


ところが不幸なことに、私はひどく物忘れの激しい生徒だった。

教科書だけは毎日確認していたのだが、 とうとうその日がやって来た。

忘れました、 算数の教科書。 それも1時間目。


私の家は小学校の塀の前にあった。

大きな木の枝葉の間から2階の私の部屋が見えた。

  「あそこに… 教科書があるのに…」

私は絶対立たされたくない。

男の子と同じ目に合うなんて、恥ずかしくてたまらなかった。


  「先生! お腹が痛いのでトイレに行かせてください。」

嘘をついた。

走りに走って家に帰ると私は教科書を持って、はぁはぁ言いながら教室に戻った。

  「お腹は良くなったかな」

そう言った時の皮肉っぽい目が忘れられない。 本当に嫌な先生だった。


そんな彼の罰則と皮肉を持ってしても、結局私の忘れ物癖は
大して改善されなかった。

癖が直ったのは、 もっと、ずっと後のことだ。


子供の私は、学校があることを忘れてしまいたかった。


忘れ物をしたくらいでなによ。

私を立たせるなんて、 ほんとに嫌な先生だ。


posted by 片岡 よしこ at 08:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | バックナンバー
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