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 赤毛のアン 〜毎日読むアン〜                           

No.1 『第1章  私の想像力』




そうだったわ……

物語はレイチェル・リンドの奥さんから始まるのだった。

リンドの奥さんに黙っては、物語さえ始められないのだから。

台所の窓辺に座って17枚目の木綿のキルトを縫う手を休めもせず、
事も無げに言うだろう。

  「よござんすよ、お書きなさいな。
   確かにアンはとんでもなく、 面白い子には違いないからね。」



想像してみる。 古風な日本の家。

中庭には木々や草花が植えられていて、水鉢には水草が浮いている。
縁側に座ると、遠くの雑木林が見える。


う〜ん、まるでビールのコマーシャルの絵じゃないか!
自分の想像力の幅の狭さに失望しちゃう。
第一、木や草花の名も出てこない。


想像してみる。 朝は9時頃に起きて朝食。

果物のジュース、硬いドイツ風の黒いパンにチーズ。
コーヒーを飲みながら、朝のタバコくゆらせながら、
今日一日の予定を頭に描いていく。

家は海に近い郊外。
運動苦手なくせに、車はスポーツタイプが好きだから、
風を感じて走ってゆく…… 

こりゃぁ 古臭いトレンディードラマじゃわ。



勤め先は土建屋で、事務所はプレハブ。
トイレは汲み取り式。
俗に言う”ポッチャン”で、女子更衣室も化粧室もない。

これが現実。
これで、月曜の蒸し暑い朝の出勤が憂鬱にならない人は手を挙げて!


車を運転して事務所に向かう30分の間は、想像してみるの。

  私は今幸せ。
  朝は全ての人に平等にやってくるけど、私はこんなにわくわくしている。
  雲も空気も美しい。
  この幸せは誰にもぶちこわせない、って。

とりあえず、着くまでまではね。



  「きちんとして清潔なのが一番だよ。
   文句があるなら掃除をして磨きあげるんだね。」



マリラならそう言うに違いない。


posted by 片岡 よしこ at 20:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | バックナンバー
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