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 赤毛のアン 〜毎日読むアン〜                           

No.2 『第2章  鞆の浦のお墓探し』



がこれほど美しい港とは思っていなかった。


妙なことが縁で知り合った人が、鞆の港でライブコンサートをすると聞いて、
彼と二人でぶらりとでかけたのだった。


港だから漁師街なんだけど、今まで見たどの港とも違っている。
何かしら、優雅なものが流れている。

日差しにはまだ夏の強さはなく、ただ夏の香りだけを感じさせてくれる。
私たちは、初めて海水浴に連れて来てもらった子供みたいに、
はしゃいだ気分になっていた。



偶然にも鞆には彼の母方のお墓があるので、ついでにお参りしてみることにした。


お寺に続く、長くてなだらかな坂は、初夏の新鮮な暑さに包まれていた。

人々の生活道路ともなっているらしく、細い道を自動車が『ゴメンヨ〜』と
言いながら身を縮めながら通りすぎてゆく。


墓地のある寺に着いたものの、親戚の墓がどこにあるのかわからない。

名字だけを頼りに、二人で探し回る。 墓地だというのにちっとも怖くない。

どの墓の埋葬者もその場所がひどく気に入って、毎日気分よく過ごしているようで、
突然の我々の”侵入”が、ちょうどよい話の種になっているらしく、
さわさわと風のようにしゃべりあっている。

眼下に美しい裾を緩やかに広げたような鞆の湾がみえた。
風が、ゆっくりと、大切なものを乗せて湾の方から吹き寄せてくる。



  静かに…… どこにいるの…… と聴く、、、。

と、 ちょうど真ん中辺りに目が留まった。


  きっと、 そこよ、   やっぱり、 みつけたわ。


アンがグリーン・ゲーブルズを、マシューが指差す前にみつけたみたいでしょ。
私にもちょっとそんなマネができるっていう、 これ、自慢話でした。



アンの家からは海もみえるのよ。
海が見える家にすごく憧れてるの。


一度友達に打ち明けた。

「あんた、塩気がひどくて、一番に車がやられるわよ。
 風は強いし、家だって長持ちしやしないし、年を取ってから
そんなヘンピな所でどうやって生活するの?!」

彼女からみれば、そんな「ヘンピ」な所で暮らしているなんて、
とても暮らしているうちには入らないのだろう。

「ただここにいる、ってだけでしょうに!」と言わんばかり。


でも私はその「ヘンピ」が好きだときてるのね。
夢をみるのは人に許された一番美しい自由よ。

そう、私は湾を望む小高い丘に家を持ちたいの。
鞆はそんな夢を見させてくれる。


アボンリーからホワイトサンズへ向かう海沿い街道は見たことないけど、
でも… はたぶん、私の中では今のところ一番ね。

もし、海沿い街道が聞きしに勝るほど美しかったとしても、鞆のことは別格よ。



だって、鞆が気を悪くするでしょ。


タグ:鞆の浦
posted by 片岡 よしこ at 23:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | バックナンバー
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