"励ましクリック"、 よろしくお願いします!
赤毛のアン 〜毎日読むアン〜
〜態度をはっきりさせないままで、20年も女を待たせる男なんて
許せないでしょ?
毅然とした態度で "根性" のあるところを見せて、
ジョンを炊きつけてやりましょうよ。
アンは思わせぶりなジョンに、復讐心を燃やすのでした。
でもジョンには、人に言えない様な事情があるのです、きっと…〜
22歳の冬はホンマに寒いワ。
私は "亀" に1ヶ月に一通の手紙を書き、 "亀" は3ヶ月に一通、
きちんと切手を貼った封筒で返事をよこした。
そうして4ヶ月目になる頃、二人で飲みに出掛けた。
"亀" はちょうど穂高から帰ったところで、 山の空気がまだ、左肩あたりに
靄のようにかかっていた。
「山男歩きになってるわよ〜
でっ、試してみた? わたしを "おかず" にしてくれた?」
「忘れてた…」
「 … … 。」
"おかず" になってみたかったのに、ガッカリである。
私は "亀" が好きだった。
山でどんな夢を見るのか尋ねたら、 「寝袋の中で、寝てる夢」。
そんな事を、ごく普通に答える所が好きだ。
「なんでもっと手紙くれないのよ」
「頭の中ではうまく書けるのに、紙に書くと別モノになるから」
その感じ、わかる…。
飲みに行くのは安い店に決まっているし、行きも帰りも徒歩。
私の大学のちゃらちゃらしたお嬢サマは、 "男友達"をつくるなら
想像も出来ないくらいに "貧乏くさい" のがイイ。
要するに、 "亀" は私には分相応な "男友達" だった。
そう、男友達。 男友達は、死ぬまで恋人にはならないものなのだ。
一方、 "亀" の方は… 私の事をどう思っていたのかは分からない。
なんにもしないって事は、私には性的魅力がないって事だろう。
この年頃の男ってのは、とりあえず何でもいいからヤリたいものなのでしょ?
「カメ! 何かお歌を唄いなさい!」
横断陸橋の上で、 "亀" は唄った。
スイスだかオーストリアの、古い山の歌…
恋する娘に贈ろうと、崖に咲いた黒百合を採ろうとして、若者が足を滑らせて死ぬ…
そんな、ロマンチックな歌。
体が自然に動いて、私は "亀" の胸に体を預けていた。
そして顔を上げ、小鳥のように "亀" に口づけした。
暗くて、 "亀" の目がよく見えない。
「ごめん… 気が利かなくて… 女の子に恥をかかせて、ごめん… 」
一瞬 "亀" が何を言っているのか、私にはわからなかった。
そして次の瞬間。 私は "亀" をぶち殴っていた。
「キスしといて、ごめんって…、 それ、なに?
私を好きでもなんでもないって事じゃないよ!
何でそんなこと言うんよ!」
"亀" はアホみたいに黙っている。
「アンタなんかねぇ、崖から落ちて記憶喪失になって、何もかんも忘れて、
イチからやり直ししたらエエんじゃ。
言うとくけど、何遍やり直してもまた崖から落ちるんじゃ。
一生オンナとヤレんのじゃ! アホ! ボケ! ハゲ!」
我ながら素晴らしい、呪いの言葉。 さぞや "亀" もビビッているに違いない。
しかし… "亀" の甲羅は厚かった。
「片岡って、面白いよ。 誰も言わんようなこと言う。 そこが好きだけど…
僕は普通のヤツだから…」
つまり…
普通の "亀" は普通の事を言い、普通にかわいい "女の子の亀" がいいという事で、
それは 「わたしは "亀族" ではない」 という事に他ならない。
私と "亀" とは、千年でも万年でも友達のままなのだろう。
あの夜のキスは、その証。
だって、まるで兄弟同士の挨拶みたいで…。 体の芯が疼かないんだもの。
後日私は、 "亀" がイメージ通りの "普通にかわいい亀族の女の子" と歩くのを見て、
ひどく得心したのだった。
No.104 『第33章 "亀族" 』
〜態度をはっきりさせないままで、20年も女を待たせる男なんて
許せないでしょ?
毅然とした態度で "根性" のあるところを見せて、
ジョンを炊きつけてやりましょうよ。
アンは思わせぶりなジョンに、復讐心を燃やすのでした。
でもジョンには、人に言えない様な事情があるのです、きっと…〜
22歳の冬はホンマに寒いワ。
私は "亀" に1ヶ月に一通の手紙を書き、 "亀" は3ヶ月に一通、
きちんと切手を貼った封筒で返事をよこした。
そうして4ヶ月目になる頃、二人で飲みに出掛けた。
"亀" はちょうど穂高から帰ったところで、 山の空気がまだ、左肩あたりに
靄のようにかかっていた。
「山男歩きになってるわよ〜
でっ、試してみた? わたしを "おかず" にしてくれた?」
「忘れてた…」
「 … … 。」
"おかず" になってみたかったのに、ガッカリである。
私は "亀" が好きだった。
山でどんな夢を見るのか尋ねたら、 「寝袋の中で、寝てる夢」。
そんな事を、ごく普通に答える所が好きだ。
「なんでもっと手紙くれないのよ」
「頭の中ではうまく書けるのに、紙に書くと別モノになるから」
その感じ、わかる…。
飲みに行くのは安い店に決まっているし、行きも帰りも徒歩。
私の大学のちゃらちゃらしたお嬢サマは、 "男友達"をつくるなら
想像も出来ないくらいに "貧乏くさい" のがイイ。
要するに、 "亀" は私には分相応な "男友達" だった。
そう、男友達。 男友達は、死ぬまで恋人にはならないものなのだ。
一方、 "亀" の方は… 私の事をどう思っていたのかは分からない。
なんにもしないって事は、私には性的魅力がないって事だろう。
この年頃の男ってのは、とりあえず何でもいいからヤリたいものなのでしょ?
「カメ! 何かお歌を唄いなさい!」
横断陸橋の上で、 "亀" は唄った。
スイスだかオーストリアの、古い山の歌…
恋する娘に贈ろうと、崖に咲いた黒百合を採ろうとして、若者が足を滑らせて死ぬ…
そんな、ロマンチックな歌。
体が自然に動いて、私は "亀" の胸に体を預けていた。
そして顔を上げ、小鳥のように "亀" に口づけした。
暗くて、 "亀" の目がよく見えない。
「ごめん… 気が利かなくて… 女の子に恥をかかせて、ごめん… 」
一瞬 "亀" が何を言っているのか、私にはわからなかった。
そして次の瞬間。 私は "亀" をぶち殴っていた。
「キスしといて、ごめんって…、 それ、なに?
私を好きでもなんでもないって事じゃないよ!
何でそんなこと言うんよ!」
"亀" はアホみたいに黙っている。
「アンタなんかねぇ、崖から落ちて記憶喪失になって、何もかんも忘れて、
イチからやり直ししたらエエんじゃ。
言うとくけど、何遍やり直してもまた崖から落ちるんじゃ。
一生オンナとヤレんのじゃ! アホ! ボケ! ハゲ!」
我ながら素晴らしい、呪いの言葉。 さぞや "亀" もビビッているに違いない。
しかし… "亀" の甲羅は厚かった。
「片岡って、面白いよ。 誰も言わんようなこと言う。 そこが好きだけど…
僕は普通のヤツだから…」
つまり…
普通の "亀" は普通の事を言い、普通にかわいい "女の子の亀" がいいという事で、
それは 「わたしは "亀族" ではない」 という事に他ならない。
私と "亀" とは、千年でも万年でも友達のままなのだろう。
あの夜のキスは、その証。
だって、まるで兄弟同士の挨拶みたいで…。 体の芯が疼かないんだもの。
後日私は、 "亀" がイメージ通りの "普通にかわいい亀族の女の子" と歩くのを見て、
ひどく得心したのだった。
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/101479616
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック
"おもしろい!" と思ったらクリックしてくださいね。
http://blog.seesaa.jp/tb/101479616
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック

