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赤毛のアン 〜毎日読むアン〜
アンの巻き起こす騒動のなかでも、"紫水晶のブローチ紛失事件"は、
私の中では5本の指に入る。
何度読んでも、"事の真相がわかって良かった" と、ホッとする。
ピクニック行きたさにアンがでっちあげた"嘘の告白"は、
いかにもアンらしい筋立てになっている。
紫水晶のブローチがきらきらと輝きながら、 "輝く湖水"に深く、 深く……
沈んでいくのが、 差し伸べるアンの手が見えるような……
「私がブローチを持ち出して、湖水に落としてしまいました。」
そう言えばピクニックに行かせてもらえる。
半狂乱になるほどピクニックを待ち焦がれていた、アンの必死の嘘だ。
しかしこの嘘、 そんなに悪い嘘とは思えない。
マリラでさえ、嘘を言わせた自分も悪かったと認めているくらいだから。
ところが、私の子供としての生活は、実に日々恥ずかしい嘘で固められていた。
持ってもいないトランプを "持ってる" と言い、見せてと言われてアセる。
乗れもしない自転車に "乗れる" と豪語したばかりに、
"サイクリング遠足"にバスで行く言い訳に、人知れず悩む。
つい尾ひれをつけてしまうのは、嘘つきだからなのか、 想像力のせいなのか。
どうしてつまらない嘘をついてしまうのか…、 幼い私は真剣に悩んだ。
私の彼は小学校の時、友達に "ハワイに行った" と嘘を言い、
"ジャンボ機の中にはプールがある" などと途方も無い尾ひれをつけたらしい。
当然ながら嘘はバレて、親にこっぴどく叱られたそうだが、
この話を聞いて、正直私はホッとした。
更に… 20歳になってまで、大汗をかいたことを告白しなければならない。
皆の話題が趣味に及んだ時。 ちょうど囲碁をちょっとだけカジっていた私は、
"初段"がどんだけ強いか知りもせず、 「初段くらいかなぁ」などと
尾ひれをつけてしまった。
若い女の子の趣味が"囲碁"だなんて、
シブくてゾクゾクッとするお話になると思ったから。
ところが運悪く、その中に囲碁のできるヤツがいて、
「お手合わせを願います。」 なんて…
でも碁盤がないし… 逃げる私…
「あっ、黒板に書きましょう。」
名案を出す彼。 泡を吹いて倒れそうな私…
はい、 バレて全員に冷たく笑われました。
こんな嘘はもう嫌だとつくづく思う。 体に悪い。
アンはブローチを盗んでもいないのに、一生"泥棒"の烙印を押されてしまうし、
私は囲碁を本気で勉強して、最低でも初段にはなっていなければならない。
その時の友達には逢いたくないなぁ。 また話の種にされてしまいそう。
「お手合わせ願いますかな!」
No.14 『第14章 嘘の告白』
アンの巻き起こす騒動のなかでも、"紫水晶のブローチ紛失事件"は、
私の中では5本の指に入る。
何度読んでも、"事の真相がわかって良かった" と、ホッとする。
ピクニック行きたさにアンがでっちあげた"嘘の告白"は、
いかにもアンらしい筋立てになっている。
紫水晶のブローチがきらきらと輝きながら、 "輝く湖水"に深く、 深く……
沈んでいくのが、 差し伸べるアンの手が見えるような……
「私がブローチを持ち出して、湖水に落としてしまいました。」
そう言えばピクニックに行かせてもらえる。
半狂乱になるほどピクニックを待ち焦がれていた、アンの必死の嘘だ。
しかしこの嘘、 そんなに悪い嘘とは思えない。
マリラでさえ、嘘を言わせた自分も悪かったと認めているくらいだから。
ところが、私の子供としての生活は、実に日々恥ずかしい嘘で固められていた。
持ってもいないトランプを "持ってる" と言い、見せてと言われてアセる。
乗れもしない自転車に "乗れる" と豪語したばかりに、
"サイクリング遠足"にバスで行く言い訳に、人知れず悩む。
つい尾ひれをつけてしまうのは、嘘つきだからなのか、 想像力のせいなのか。
どうしてつまらない嘘をついてしまうのか…、 幼い私は真剣に悩んだ。
私の彼は小学校の時、友達に "ハワイに行った" と嘘を言い、
"ジャンボ機の中にはプールがある" などと途方も無い尾ひれをつけたらしい。
当然ながら嘘はバレて、親にこっぴどく叱られたそうだが、
この話を聞いて、正直私はホッとした。
更に… 20歳になってまで、大汗をかいたことを告白しなければならない。
皆の話題が趣味に及んだ時。 ちょうど囲碁をちょっとだけカジっていた私は、
"初段"がどんだけ強いか知りもせず、 「初段くらいかなぁ」などと
尾ひれをつけてしまった。
若い女の子の趣味が"囲碁"だなんて、
シブくてゾクゾクッとするお話になると思ったから。
ところが運悪く、その中に囲碁のできるヤツがいて、
「お手合わせを願います。」 なんて…
でも碁盤がないし… 逃げる私…
「あっ、黒板に書きましょう。」
名案を出す彼。 泡を吹いて倒れそうな私…
はい、 バレて全員に冷たく笑われました。
こんな嘘はもう嫌だとつくづく思う。 体に悪い。
アンはブローチを盗んでもいないのに、一生"泥棒"の烙印を押されてしまうし、
私は囲碁を本気で勉強して、最低でも初段にはなっていなければならない。
その時の友達には逢いたくないなぁ。 また話の種にされてしまいそう。
「お手合わせ願いますかな!」
赤毛のアン 〜毎日読むアン〜
「期待せざる者は幸いなり、失望せざればなり」。
リンド夫人はさも分別ありげにアンを諭したのだろうが、
アンにそんな説教は通じない。
「楽しみの半分は、それを待っていることにあるのよ。」
そう、 あんたはマリラをウンザリさせるほどしゃべり倒して、
待っているわね。
人に期待すれば、裏切られる。 いい事なんかそうそうあるもんじゃない。
私は、 "期待する事とは夢や希望を持つ事" と思っている。
そしてついに夢のしっぽを掴んだら、 うんと楽しまなくちゃ。
去年の秋。 私達はオーストラリアへ旅行した。
懸賞に当たったの。 そうそうありそうにもない事だ。
事の始まりは私の予感からだった。 何かに当たりそうな気がしていた。
そんなある日、 彼が突然ハガキの束を私に渡して、
「3日間に分けて毎朝投函するんよ。 オーストラリアに行こう。」
"当たったらいいな…" どころか、もう行く気まんまんの私達。
辛い時、 落ち込んだ時は、どちらからともなく、
「でも、 秋にはオーストラリア行くもんねェ〜 」と言っては、
わくわくしてはしゃぎ回った。 当たらなくても充分元を取ったくらいに。
本当に"当選"の連絡がきた日は、それこそ信じられなかった。
「新手の詐欺じゃねーのかァ〜?」などと疑ってみたりもした。
とりあえず夢じゃないかどうか、生まれて初めてつねってみたね。
「タダでもらったァ〜 タダでもらったァ〜 オーストラリアりょこう〜 」
なんて唄っては、二人で家の中を踊り歩いた。
ピクニックに浮かれるアンの気持ちが心底わかった。
夢のような幸運が自分にも降ってくることはある。
その極意は… おしゃべりになることだ。
何かいいことありそうな気がしたら、誰かに話すこと。
欲しい物、好きな物、 叶えたい夢を話すこと。
それが相呼ぶ魂の人だったら更にいい。
そして、 欲しい物がもう手に入ったかのように喜んだり、
もう夢が叶えられたような、うれしい気持ちになればシメたもの。
幸運の妖精が、話を聞きつけてやって来る。
No.13 『第13章 幸運の妖精』
「期待せざる者は幸いなり、失望せざればなり」。
リンド夫人はさも分別ありげにアンを諭したのだろうが、
アンにそんな説教は通じない。
「楽しみの半分は、それを待っていることにあるのよ。」
そう、 あんたはマリラをウンザリさせるほどしゃべり倒して、
待っているわね。
人に期待すれば、裏切られる。 いい事なんかそうそうあるもんじゃない。
私は、 "期待する事とは夢や希望を持つ事" と思っている。
そしてついに夢のしっぽを掴んだら、 うんと楽しまなくちゃ。
去年の秋。 私達はオーストラリアへ旅行した。
懸賞に当たったの。 そうそうありそうにもない事だ。
事の始まりは私の予感からだった。 何かに当たりそうな気がしていた。
そんなある日、 彼が突然ハガキの束を私に渡して、
「3日間に分けて毎朝投函するんよ。 オーストラリアに行こう。」
"当たったらいいな…" どころか、もう行く気まんまんの私達。
辛い時、 落ち込んだ時は、どちらからともなく、
「でも、 秋にはオーストラリア行くもんねェ〜 」と言っては、
わくわくしてはしゃぎ回った。 当たらなくても充分元を取ったくらいに。
本当に"当選"の連絡がきた日は、それこそ信じられなかった。
「新手の詐欺じゃねーのかァ〜?」などと疑ってみたりもした。
とりあえず夢じゃないかどうか、生まれて初めてつねってみたね。
「タダでもらったァ〜 タダでもらったァ〜 オーストラリアりょこう〜 」
なんて唄っては、二人で家の中を踊り歩いた。
ピクニックに浮かれるアンの気持ちが心底わかった。
夢のような幸運が自分にも降ってくることはある。
その極意は… おしゃべりになることだ。
何かいいことありそうな気がしたら、誰かに話すこと。
欲しい物、好きな物、 叶えたい夢を話すこと。
それが相呼ぶ魂の人だったら更にいい。
そして、 欲しい物がもう手に入ったかのように喜んだり、
もう夢が叶えられたような、うれしい気持ちになればシメたもの。
幸運の妖精が、話を聞きつけてやって来る。
赤毛のアン 〜毎日読むアン〜
原文では "bosom friend"。
英和辞典ではあっさり「親友」と訳されているが、
アンの熱烈な思い入れを表現するために、様々な日本語に訳されている。
「腹心の友」 「宿命の友」 「相呼ぶ魂」
どれもアンの心をゾクゾクさせるだろう。
「ソウルメイト」ってのもアリじゃないかなぁ…。
私は昔から相呼ぶ魂の人を嗅ぎ分けられる。
小学校4年生の時、私は宿命の友に出逢った。
彼女はすらりと背が高く、賢そうな切れ長の目をしていた。
他のクラスメートと同じ様に、ブルマにスカートをたくし込んで、
ゴム飛びをする時ですら、彼女は上品だった。
勉強も良く出来た。
宿題をするのは彼女には当然のことだし、忘れ物も無かった。
筆を洗うバケツ、 給食当番が使うマスクや鉛筆を削るナイフに至るまで、
毎日が完璧だった。
私は… というと、これらが「なくてはならない物」とは思えなかったので、
よく忘れた。
どうやって彼女と友達になったのか、全然憶えてないけど、
どうせ私のことだからガツガツ押しかけていったんだろう。
彼女はピアノが上手だった。
学芸会の合唱の伴奏をする姿にうっとりしたものだ。
家に遊びに行ったとき、ピアノを弾いてくれた。
「エリーゼのために」だった。
もう、その感動といったら…、
ズバリ! 花輪君のヴァイオリンに聴きほれる、ウルウルのちびまる子。
彼女には弟が二人いた。 私は妹が一人。
弟を持つことに憧れた。
大学の先生をしているお父さんに憧れた。
お父さんが双子、 と聞くとそれにも憧れ、 しまいには彼女愛用の
10年モノの筆箱が輪ゴムで留めてあることにまで憧れた。
2年後、 彼女が長野県へ引っ越すことになった時。
まさに私は愕然とし、 次に悲しみのどん底に突き落とされた。
離ればなれになる悲しさというものをそれまで知らなかったのだ。
それから15年が過ぎ、彼女から手紙が届いた。
「赤毛のアンの島を訪れました… 」
やっぱり、 相呼ぶ魂だったんだ。
No.12 『第12章 相呼ぶ魂』
原文では "bosom friend"。
英和辞典ではあっさり「親友」と訳されているが、
アンの熱烈な思い入れを表現するために、様々な日本語に訳されている。
「腹心の友」 「宿命の友」 「相呼ぶ魂」
どれもアンの心をゾクゾクさせるだろう。
「ソウルメイト」ってのもアリじゃないかなぁ…。
私は昔から相呼ぶ魂の人を嗅ぎ分けられる。
小学校4年生の時、私は宿命の友に出逢った。
彼女はすらりと背が高く、賢そうな切れ長の目をしていた。
他のクラスメートと同じ様に、ブルマにスカートをたくし込んで、
ゴム飛びをする時ですら、彼女は上品だった。
勉強も良く出来た。
宿題をするのは彼女には当然のことだし、忘れ物も無かった。
筆を洗うバケツ、 給食当番が使うマスクや鉛筆を削るナイフに至るまで、
毎日が完璧だった。
私は… というと、これらが「なくてはならない物」とは思えなかったので、
よく忘れた。
どうやって彼女と友達になったのか、全然憶えてないけど、
どうせ私のことだからガツガツ押しかけていったんだろう。
彼女はピアノが上手だった。
学芸会の合唱の伴奏をする姿にうっとりしたものだ。
家に遊びに行ったとき、ピアノを弾いてくれた。
「エリーゼのために」だった。
もう、その感動といったら…、
ズバリ! 花輪君のヴァイオリンに聴きほれる、ウルウルのちびまる子。
彼女には弟が二人いた。 私は妹が一人。
弟を持つことに憧れた。
大学の先生をしているお父さんに憧れた。
お父さんが双子、 と聞くとそれにも憧れ、 しまいには彼女愛用の
10年モノの筆箱が輪ゴムで留めてあることにまで憧れた。
2年後、 彼女が長野県へ引っ越すことになった時。
まさに私は愕然とし、 次に悲しみのどん底に突き落とされた。
離ればなれになる悲しさというものをそれまで知らなかったのだ。
それから15年が過ぎ、彼女から手紙が届いた。
「赤毛のアンの島を訪れました… 」
やっぱり、 相呼ぶ魂だったんだ。
赤毛のアン 〜毎日読むアン〜
すてきな服は女の子の夢だ。
アンくらいの年頃の子にとって、すてきな服とは"みんなが着ているような服"と言える。
ひとりだけ個性的で趣味がいいより、みんなといっしょに普通の服を着て、
つきなみな方がいい。
母は洋裁が得意だったから、小さい時から服はほとんどお手製だった。
マリラとは違って、流行を取り入れるセンスがあり、結構可愛い服を縫ってもらった。
ピアノの発表会の時には、ほとんどの子は制服の白のブラウスだったが、
私は母の手製のブラウスを着た。
それはクリーム色の丸襟のブラウスで、おまけにアンの憧れの小さなパフスリーブ、
胸にはスモック刺繍が施されて、制服の紺のプリーツスカートに似合っていた。
母は制服も縫った。 何着か古着の制服をどこからか集めてきて、
傷んでない所をつなぎ合わせて1着を作るのだ。
制服は小さな襟に白の替え襟をボタンで留めつけるデザインになっている。
ところが出来上がりは、型紙の取り間違えで襟ぐりの大きなシャツカラーになり、
白襟をつけるとますます襟が目立ってしまう。
着るとまるで"ろくろ首"みたいに見える。 服というより襟を着てる感じだ。
母は一言。
「襟が大きすぎたわ。」
5年生、6年生の2年間はその「襟」を着た。
おかげで学芸会、遠足、どの写真を見ても、何の苦もなく私を見つけられる。
襟が「矢印」みたいに私を指し示しているからだ。
あ〜あ、 みんなと同じ襟なら、擦り切れてくたびれた制服でもよかったのに……
母もこの失敗を踏まえて、中学の制服は考えたようだ。
例によって古着を貰ってきて、今度は擦り切れて薄くなった肘の部分に、
見事な「つぎ」を当てた。
遠目には絶対わからない程の完璧な掛継だった。
でも友達とは遠目の付き合いはしないもの。 これにはがっかりしたが、
今度も母の一言。
「ちゃんと直しといたから。」
くたびれて擦り切れていても、みんなと同じの襟で、「つぎ当て」のない制服が着たい。
口数の少ない母は、更に有無を言わせないトドメの矢を1本、私の胸に的中させた。
「どこが気に入らないの。 穴が開いたままじゃないのよ。
ちゃんと直してあるんだから、恥ずかしくないよ。」
マリラ以上に怖い。
No.11 『第11章 白い襟』
すてきな服は女の子の夢だ。
アンくらいの年頃の子にとって、すてきな服とは"みんなが着ているような服"と言える。
ひとりだけ個性的で趣味がいいより、みんなといっしょに普通の服を着て、
つきなみな方がいい。
母は洋裁が得意だったから、小さい時から服はほとんどお手製だった。
マリラとは違って、流行を取り入れるセンスがあり、結構可愛い服を縫ってもらった。
ピアノの発表会の時には、ほとんどの子は制服の白のブラウスだったが、
私は母の手製のブラウスを着た。
それはクリーム色の丸襟のブラウスで、おまけにアンの憧れの小さなパフスリーブ、
胸にはスモック刺繍が施されて、制服の紺のプリーツスカートに似合っていた。
母は制服も縫った。 何着か古着の制服をどこからか集めてきて、
傷んでない所をつなぎ合わせて1着を作るのだ。
制服は小さな襟に白の替え襟をボタンで留めつけるデザインになっている。
ところが出来上がりは、型紙の取り間違えで襟ぐりの大きなシャツカラーになり、
白襟をつけるとますます襟が目立ってしまう。
着るとまるで"ろくろ首"みたいに見える。 服というより襟を着てる感じだ。
母は一言。
「襟が大きすぎたわ。」
5年生、6年生の2年間はその「襟」を着た。
おかげで学芸会、遠足、どの写真を見ても、何の苦もなく私を見つけられる。
襟が「矢印」みたいに私を指し示しているからだ。
あ〜あ、 みんなと同じ襟なら、擦り切れてくたびれた制服でもよかったのに……
母もこの失敗を踏まえて、中学の制服は考えたようだ。
例によって古着を貰ってきて、今度は擦り切れて薄くなった肘の部分に、
見事な「つぎ」を当てた。
遠目には絶対わからない程の完璧な掛継だった。
でも友達とは遠目の付き合いはしないもの。 これにはがっかりしたが、
今度も母の一言。
「ちゃんと直しといたから。」
くたびれて擦り切れていても、みんなと同じの襟で、「つぎ当て」のない制服が着たい。
口数の少ない母は、更に有無を言わせないトドメの矢を1本、私の胸に的中させた。
「どこが気に入らないの。 穴が開いたままじゃないのよ。
ちゃんと直してあるんだから、恥ずかしくないよ。」
マリラ以上に怖い。
赤毛のアン 〜毎日読むアン〜
「ちびまる子」には"友蔵おじいちゃん"という強い(?)味方がついてるし、
アンとマシューは「相呼ぶ魂」同士の仲良しだ。
友蔵も、マシューも、 かわいいこどもの肩を持ってくれる。
アンが部屋から出てこないのが心配で、可哀想でならないマシューは、
こっそりアンに会いに行く。
リンド夫人に謝るまでは部屋を出さない、 と言い渡すマリラ。
アンは生涯幽閉の身となる覚悟を決めていたのだが…
「いっそのこと、さっさとやってしまってさっぱりしたほうが
いいと思わないかね?」
マリラは言い出したら後へは引かないし、ここは謝ってしまえば、
すべてが丸く収まるというものだ。
アンが大好きなマシューのためにリンド夫人に謝る気になる…
このシーンに私は「ちびまる子」を思い出してしまう。
「おじいちゃぁ〜ん!」
「まる子やぁぁ〜〜」
小さな子供には味方になってくれる人が必要だ。
家族全員から同じ方針で躾られたら息が詰まってしまう。
12才くらいの時。 そそっかしい私は、ある日失敗を連発した。
苦労して持って帰った鉢植えなのに、
家に着いたらいきなり落として割ってしまった。
叱られてぼんやり食事をしていたら、みそ汁を座布団の上にぶちまけた。
"手元を見ていない" と、さんざん叱られて泣き泣き茶碗を洗っていると、
今度は母のお気に入りの鉢物を取り落とし、あわやコッパ微塵になるところを
何とか救ったものの、縁が欠けてしまった。
これがトドメとなったことだけが不幸中の幸いだったと言える。
しかし、 謝って許してもらえると思ったら大間違いだ。
その鉢は大変高価なものだったらしい。
どんなに涙を流しても母の機嫌は直らなかった。
父がそっと台所にやって来て、
「形ある物は、必ず壊れるんだから。」
そう言って、瞬間接着剤で欠けた鉢を修復してくれた。
母が機嫌を直してくれる事を諦めた私にとって、
その言葉は大きな慰めになった。
その時の私の心境は、
「おとうさぁ〜ん!」
「よしこやぁぁ〜〜」
であったことは言うまでもない。
No.10 『第10章 こどもの味方』
「ちびまる子」には"友蔵おじいちゃん"という強い(?)味方がついてるし、
アンとマシューは「相呼ぶ魂」同士の仲良しだ。
友蔵も、マシューも、 かわいいこどもの肩を持ってくれる。
アンが部屋から出てこないのが心配で、可哀想でならないマシューは、
こっそりアンに会いに行く。
リンド夫人に謝るまでは部屋を出さない、 と言い渡すマリラ。
アンは生涯幽閉の身となる覚悟を決めていたのだが…
「いっそのこと、さっさとやってしまってさっぱりしたほうが
いいと思わないかね?」
マリラは言い出したら後へは引かないし、ここは謝ってしまえば、
すべてが丸く収まるというものだ。
アンが大好きなマシューのためにリンド夫人に謝る気になる…
このシーンに私は「ちびまる子」を思い出してしまう。
「おじいちゃぁ〜ん!」
「まる子やぁぁ〜〜」
小さな子供には味方になってくれる人が必要だ。
家族全員から同じ方針で躾られたら息が詰まってしまう。
12才くらいの時。 そそっかしい私は、ある日失敗を連発した。
苦労して持って帰った鉢植えなのに、
家に着いたらいきなり落として割ってしまった。
叱られてぼんやり食事をしていたら、みそ汁を座布団の上にぶちまけた。
"手元を見ていない" と、さんざん叱られて泣き泣き茶碗を洗っていると、
今度は母のお気に入りの鉢物を取り落とし、あわやコッパ微塵になるところを
何とか救ったものの、縁が欠けてしまった。
これがトドメとなったことだけが不幸中の幸いだったと言える。
しかし、 謝って許してもらえると思ったら大間違いだ。
その鉢は大変高価なものだったらしい。
どんなに涙を流しても母の機嫌は直らなかった。
父がそっと台所にやって来て、
「形ある物は、必ず壊れるんだから。」
そう言って、瞬間接着剤で欠けた鉢を修復してくれた。
母が機嫌を直してくれる事を諦めた私にとって、
その言葉は大きな慰めになった。
その時の私の心境は、
「おとうさぁ〜ん!」
「よしこやぁぁ〜〜」
であったことは言うまでもない。
赤毛のアン 〜毎日読むアン〜
アン、 あなたの気持ちは良くわかる。
わかりはするけど、リンド夫人に癇癪玉をぶつけるようじゃまだまだ青いわ。
少々の事は挨拶代わりの愛想ぐらいに思ってないとやってられないわよ。
と、 今でこそ"どんなコンプレックスにも救いはあるもの"と思える私も、
こうなるまでには色々あった。
人にはっきりモノを言う人って、 よくもまあ、何の躊躇もなく、
スラスラと言ってくれる。
赤毛だとか、器量のことについてとやかく言われりゃ、そりゃ誰だって嫌だわ。
しかし… ヤツらは実に巧妙に攻めてくる。 気を付けなくちゃ。
「あなた、相変わらずスマートねえ。 何で腕だけそんなに太いん?」
という、"攻撃は最大の防御"作戦。
そういうアンタは腕といわず、どこもかしこも太いクセに。
「まぁ、元気? んも〜 私なんかぶくぶく太っちゃって… ねぇ?」
という、"先手必勝"作戦。
ホント、スゴイ… ブクブク… なんて素直に返したら、どうなることやら…
恐ろしい。
「まぁ あなた、またシミが増えたじゃないの…
でもね、シミは家紋だと思えばいいんだから」
って… "紋付き"ってこと?
いちいち言い返していたら毎日が修羅場になってしまう。
と言いつつも、 家に帰って鏡をまじまじと見ては、そんなに目立つかなぁ、
やっぱ目立つわぁ… としょんぼりしてしまうのでした。
自分でも身体の割合からすると、腕が太すぎると分かっているけど、
他人はそう思ってなければいいな、 と願うものなのよ。
でも… どんなコンプレックスにも救いはあるもの。
私の彼は「女性に対して失礼とは思うけど」と断ってから、
「そうさなぁ… どっちかというと、腕は太いかもなぁ…」
ぷにゅぷにゅした感触が気持ちいいそうだ。
複雑だけど、とても嬉しい。
アンの髪だって、きっと見事な赤褐色になると思うわ。
そんな赤褐色の髪を美しい、 って囁かれる日がきっと来る。
No.9 『第9章 コンプレックス』
アン、 あなたの気持ちは良くわかる。
わかりはするけど、リンド夫人に癇癪玉をぶつけるようじゃまだまだ青いわ。
少々の事は挨拶代わりの愛想ぐらいに思ってないとやってられないわよ。
と、 今でこそ"どんなコンプレックスにも救いはあるもの"と思える私も、
こうなるまでには色々あった。
人にはっきりモノを言う人って、 よくもまあ、何の躊躇もなく、
スラスラと言ってくれる。
赤毛だとか、器量のことについてとやかく言われりゃ、そりゃ誰だって嫌だわ。
しかし… ヤツらは実に巧妙に攻めてくる。 気を付けなくちゃ。
「あなた、相変わらずスマートねえ。 何で腕だけそんなに太いん?」
という、"攻撃は最大の防御"作戦。
そういうアンタは腕といわず、どこもかしこも太いクセに。
「まぁ、元気? んも〜 私なんかぶくぶく太っちゃって… ねぇ?」
という、"先手必勝"作戦。
ホント、スゴイ… ブクブク… なんて素直に返したら、どうなることやら…
恐ろしい。
「まぁ あなた、またシミが増えたじゃないの…
でもね、シミは家紋だと思えばいいんだから」
って… "紋付き"ってこと?
いちいち言い返していたら毎日が修羅場になってしまう。
と言いつつも、 家に帰って鏡をまじまじと見ては、そんなに目立つかなぁ、
やっぱ目立つわぁ… としょんぼりしてしまうのでした。
自分でも身体の割合からすると、腕が太すぎると分かっているけど、
他人はそう思ってなければいいな、 と願うものなのよ。
でも… どんなコンプレックスにも救いはあるもの。
私の彼は「女性に対して失礼とは思うけど」と断ってから、
「そうさなぁ… どっちかというと、腕は太いかもなぁ…」
ぷにゅぷにゅした感触が気持ちいいそうだ。
複雑だけど、とても嬉しい。
アンの髪だって、きっと見事な赤褐色になると思うわ。
そんな赤褐色の髪を美しい、 って囁かれる日がきっと来る。
赤毛のアン 〜毎日読むアン〜
No.8 『第8章 心のアンチエイジング』
「どこの子でもないただのアンとくらべたら、
グリーン ゲーブルズのアンのほうが、百万倍もすてきよ。」
この箇所がとても好きだ。
赤毛で、やせっぽちで、そばかすだらけの顔が映った鏡にキスするところがいい。
「グリーン ゲーブルズのアン」 誕生の瞬間だ。
ひとつの夢が叶うと、次々に夢が叶えられていく、
アンはそんな予感を的中させてくれる。
私なんか、いいことがあったら次には悪いことが起こるに決まってるわと、
ある程度覚悟したりする。
でも、この物語のいい所は、素直な楽観性。
それを信じさせてくれるだけの魅力を、アンは持っている。
しかし、作者のL.M.モンゴメリーがこの物語を書いた時、
彼女自身は心配、憂鬱、心労をかかえていた精神状態だったという。
日記にはこう書かれている。
「他の人の人生を暗くしたいなんて願うわけがない。
私は楽観主義を伝える人、太陽のようにぽかぽか暖める人になりたい。」 (山本史郎訳 「赤毛のアン」〜解説〜より)
赤毛で、そばかすだらけのやせっぽち、コンプレックスの塊のような
アンが私たちに元気を与えてくれる。
読み進むうちに、確かにぽかぽかと暖められるのです。
これぞ、"悲観的で年寄りじみてくる心"のアンチエイジング!
若かった頃の気持ちが蘇り、今の私を少しずつ変えていく。
アンのようにはなれなかったけど、こうして大好きだったアンの事を書いている。
嫌な思い出は誰にも言わずに隠してたけど、笑える思い出に変えられる。
そんな私のつたない文章が、誰かの心に
「わたしだって! 昔はものすごくアンが好きだったんだから〜」
と、火をつけてくれればいい。
「何じゃなぁ……」のため息を笑いに変えて、今日もアンを読んでいる。
何を考えているのかわからん私より、"赤毛のアンが好き"と言える私の方がずっといい。
グリーン ゲーブルズのアンのほうが、百万倍もすてきよ。」
この箇所がとても好きだ。
赤毛で、やせっぽちで、そばかすだらけの顔が映った鏡にキスするところがいい。
「グリーン ゲーブルズのアン」 誕生の瞬間だ。
ひとつの夢が叶うと、次々に夢が叶えられていく、
アンはそんな予感を的中させてくれる。
私なんか、いいことがあったら次には悪いことが起こるに決まってるわと、
ある程度覚悟したりする。
でも、この物語のいい所は、素直な楽観性。
それを信じさせてくれるだけの魅力を、アンは持っている。
しかし、作者のL.M.モンゴメリーがこの物語を書いた時、
彼女自身は心配、憂鬱、心労をかかえていた精神状態だったという。
日記にはこう書かれている。
「他の人の人生を暗くしたいなんて願うわけがない。
私は楽観主義を伝える人、太陽のようにぽかぽか暖める人になりたい。」 (山本史郎訳 「赤毛のアン」〜解説〜より)
赤毛で、そばかすだらけのやせっぽち、コンプレックスの塊のような
アンが私たちに元気を与えてくれる。
読み進むうちに、確かにぽかぽかと暖められるのです。
これぞ、"悲観的で年寄りじみてくる心"のアンチエイジング!
若かった頃の気持ちが蘇り、今の私を少しずつ変えていく。
アンのようにはなれなかったけど、こうして大好きだったアンの事を書いている。
嫌な思い出は誰にも言わずに隠してたけど、笑える思い出に変えられる。
そんな私のつたない文章が、誰かの心に
「わたしだって! 昔はものすごくアンが好きだったんだから〜」
と、火をつけてくれればいい。
「何じゃなぁ……」のため息を笑いに変えて、今日もアンを読んでいる。
何を考えているのかわからん私より、"赤毛のアンが好き"と言える私の方がずっといい。
赤毛のアン 〜毎日読むアン〜
OL生活が長くなると、「はい、わかりました。」が、口癖になる。
「この作業は何のためにするのですか?」
→「1ヶ月で出来るか?」
「出来ると思いますが、どこに出す資料でしょうか?」
→「無理のない程度で出来るだけ早くたのむ。」
事務員に"目的"は不要なのだろう。 「はい、わかりました」と言うしかない。
今一度、アンを読み返していて気付いたんだけど…
アンって、 何か用事を言いつけられたり、注意された時に、
素直に「はい」と言うことはまずない。
実に何というか、私からみると堂々としている。
アンの言い訳には、彼女の"偽らない本音"がある。
赤毛だと、いい子になるよりはどうしても悪い子になってしまう、
なんて"傑作"だが、 笑えない。
私だって、色白でシミひとつなくて、サラサラの髪だったら、
もっと他人の欠点を大目にみることも容易だろうと思う。
まして心がずたずたなのに、仕事どころではない。
しかし、そんなアンの"言い訳"に、時に私はハッとさせられる。
物事の核心=本当の意味を問いかけてくるのだ。
「お祈りをするときは、どうしてひざまずかなくちゃいけないのかしら?」
アンは、心で祈りを感じるときに祈りは生まれると言っているのだ。
言い訳をせず、自分の非を素直に認めることが美徳である、という考えは
決して間違いではない。
が、 私のように 「はい、わかりました」 と答えるしかない現実もある。
そんな "物事の本質" を見失わないでいたい。
「なぜ?」 「何のために?」
アンを見ていると、今まで言葉にできなかった気持ちが素直に心に蘇ってくる。
No.7 『第7章 言い訳』
OL生活が長くなると、「はい、わかりました。」が、口癖になる。
「この作業は何のためにするのですか?」
→「1ヶ月で出来るか?」
「出来ると思いますが、どこに出す資料でしょうか?」
→「無理のない程度で出来るだけ早くたのむ。」
事務員に"目的"は不要なのだろう。 「はい、わかりました」と言うしかない。
今一度、アンを読み返していて気付いたんだけど…
アンって、 何か用事を言いつけられたり、注意された時に、
素直に「はい」と言うことはまずない。
実に何というか、私からみると堂々としている。
アンの言い訳には、彼女の"偽らない本音"がある。
赤毛だと、いい子になるよりはどうしても悪い子になってしまう、
なんて"傑作"だが、 笑えない。
私だって、色白でシミひとつなくて、サラサラの髪だったら、
もっと他人の欠点を大目にみることも容易だろうと思う。
まして心がずたずたなのに、仕事どころではない。
しかし、そんなアンの"言い訳"に、時に私はハッとさせられる。
物事の核心=本当の意味を問いかけてくるのだ。
「お祈りをするときは、どうしてひざまずかなくちゃいけないのかしら?」
アンは、心で祈りを感じるときに祈りは生まれると言っているのだ。
言い訳をせず、自分の非を素直に認めることが美徳である、という考えは
決して間違いではない。
が、 私のように 「はい、わかりました」 と答えるしかない現実もある。
そんな "物事の本質" を見失わないでいたい。
「なぜ?」 「何のために?」
アンを見ていると、今まで言葉にできなかった気持ちが素直に心に蘇ってくる。
赤毛のアン 〜毎日読むアン〜
No.6 『第6章 オンナ気スイッチ』
「この女、ワシがおらんとアカンのんちゃうかぁ…?」
そう思ったら、押してはいけない"男気スイッチ"に手がいってしまい、
「よっしゃ、ワシが面倒みてやる!」と言ってしまう。
"そんな男気スイッチがある"と、お笑いタレントが悔しそうに告白していた。
うんうん、 確かにそんなスイッチ、私にもある。
役員を決める会議で、誰もが自分の都合を主張して、時間だけが過ぎてゆく。
こんな人達に任せるくらいだったら、私がやるわ!
ポチッ
こうして役を引き受けたことがあったっけ…
そのためにひどい失敗をしたこともあったっけ…
自分から責任を背負い込むのは嫌だから、最近の私は消極的だ。
迷っている時は止めることにしている。
事の真相を確かめるべくスペンサー家を訪れるまでは、
マリラはアンをどうしたものかと迷っていた。
間違いを正すには、孤児院へ送り返すのが一番の方法だ。
道すがら聞いた、アンの身の上話に心を動かされてはいたが…
しかし、一見厳格で、融通の効かないマリラが、
どうしてアンを引き取る気持ちになったのやら。
冷静なマリラがその場の雰囲気に流されたとは思えない。
ただ、手伝いの子を欲しがっているブリューエットの奥さんに
アンを渡すことが、神のお導きとは思わなかったことだけは確かだ。
だって、ブリューエットの奥さんはアンを上から下まで品定めして、
食いぶち分は働くなら貰ってやるって言うのよ。
この女、絶対食いぶち以上にこき使うと思うわ。
「そんな可愛そうなこと、私には出来ないね。」
ポチッ
マリラはオンナ気スイッチを押したのかもしれない。
私は、それが神のお導きってものだと思う。
マリラ、あなたとなら人の悪口を言い合うのがさぞかし楽しいだろうと思うわ。
あたしだって、ブリューエットって人に猫の子一匹やりたかないもの!
そう思ったら、押してはいけない"男気スイッチ"に手がいってしまい、
「よっしゃ、ワシが面倒みてやる!」と言ってしまう。
"そんな男気スイッチがある"と、お笑いタレントが悔しそうに告白していた。
うんうん、 確かにそんなスイッチ、私にもある。
役員を決める会議で、誰もが自分の都合を主張して、時間だけが過ぎてゆく。
こんな人達に任せるくらいだったら、私がやるわ!
ポチッ
こうして役を引き受けたことがあったっけ…
そのためにひどい失敗をしたこともあったっけ…
自分から責任を背負い込むのは嫌だから、最近の私は消極的だ。
迷っている時は止めることにしている。
事の真相を確かめるべくスペンサー家を訪れるまでは、
マリラはアンをどうしたものかと迷っていた。
間違いを正すには、孤児院へ送り返すのが一番の方法だ。
道すがら聞いた、アンの身の上話に心を動かされてはいたが…
しかし、一見厳格で、融通の効かないマリラが、
どうしてアンを引き取る気持ちになったのやら。
冷静なマリラがその場の雰囲気に流されたとは思えない。
ただ、手伝いの子を欲しがっているブリューエットの奥さんに
アンを渡すことが、神のお導きとは思わなかったことだけは確かだ。
だって、ブリューエットの奥さんはアンを上から下まで品定めして、
食いぶち分は働くなら貰ってやるって言うのよ。
この女、絶対食いぶち以上にこき使うと思うわ。
「そんな可愛そうなこと、私には出来ないね。」
ポチッ
マリラはオンナ気スイッチを押したのかもしれない。
私は、それが神のお導きってものだと思う。
マリラ、あなたとなら人の悪口を言い合うのがさぞかし楽しいだろうと思うわ。
あたしだって、ブリューエットって人に猫の子一匹やりたかないもの!
赤毛のアン 〜毎日読むアン〜
No.5 『第5章 私は夢みる夢子』
すっかり忘れていたけど、アンの生い立ちはかなり悲惨だったのね。
生まれた時から赤毛で痩せて目ばかり大きいブサイクな子が、
3ヶ月の時両親をなくして、他人の家をたらいまわしにされ、
こき使われ、優しくもされず、いつも悪い子だとしかられ続けていたら、
まともな子になる訳がない。
この物語は少女には読ませられない"貧困と犯罪の物語"になっても
おかしくはない。
人は生まれた環境の中で人格を形成するといわれているし。
よくまぁ、 ひねくれもせず… と思う。
なぜなの? Anne?
私の想像力は"厳しい現実"に直面し、グレていた。
「想像の余地があるってものよ」 …と、アンの真似はしてみるけど、
余地を充分埋めているかどうか、怪しい。
今の私はマンション暮らし。
想像で補わなければならない余地が、福岡ドーム3つ分くらいありそうなんだ。
家には夢があった。
川沿いの緑豊かな散歩道、木立のきらめきの差し込む窓、ベランダの草花、
ひとつひとつが削られて、私の経済でまかなえるきつきつの物件に落ち着いた。
工場地域の真ん中で、見えるのは工場の灰色の屋根と、
排気ダクトがブザマに突き出た壁、 機械の動く音と、排気の匂い…
自分ひとりで探して買った、大切な家。
私の想像力で夢に近づけようか… アンを読むうちにそんな気持ちになってきた。
子供っぽいかなぁ… でも、まぁ、 いいや。 誰にも言わんし。
これでも昔は「夢みる夢子」とまで言われたんだから。
スコットランドの湖水地方の様な、なだらかな山々、
緑の草原を想像してるかって?
いえいえ。
私は工場の灰色の屋根に話しかける。
「暑いわ… あんた、 暑いでしょうに… 」
「あぁ… たまらなく暑いさ 」
返事はいっつも一言。
長い間嫌っていたから、そんなにすぐには心を開いてはくれないんだけど、
排気ダクトは愛想良く、白い煙を吐くついでに唄ってくれる。
「奥サンヨ〜 オレはァ〜 これでもォ〜 陽・気・な タチさ〜♪」
想像で補えないのはただ一つ。 それは、「匂い」ってやつよ。
こいつはどうにもならない。
思いっきし叫んでやるんだ。
「おまえ、くさいゾー!」
生まれた時から赤毛で痩せて目ばかり大きいブサイクな子が、
3ヶ月の時両親をなくして、他人の家をたらいまわしにされ、
こき使われ、優しくもされず、いつも悪い子だとしかられ続けていたら、
まともな子になる訳がない。
この物語は少女には読ませられない"貧困と犯罪の物語"になっても
おかしくはない。
人は生まれた環境の中で人格を形成するといわれているし。
よくまぁ、 ひねくれもせず… と思う。
なぜなの? Anne?
私の想像力は"厳しい現実"に直面し、グレていた。
「想像の余地があるってものよ」 …と、アンの真似はしてみるけど、
余地を充分埋めているかどうか、怪しい。
今の私はマンション暮らし。
想像で補わなければならない余地が、福岡ドーム3つ分くらいありそうなんだ。
家には夢があった。
川沿いの緑豊かな散歩道、木立のきらめきの差し込む窓、ベランダの草花、
ひとつひとつが削られて、私の経済でまかなえるきつきつの物件に落ち着いた。
工場地域の真ん中で、見えるのは工場の灰色の屋根と、
排気ダクトがブザマに突き出た壁、 機械の動く音と、排気の匂い…
自分ひとりで探して買った、大切な家。
私の想像力で夢に近づけようか… アンを読むうちにそんな気持ちになってきた。
子供っぽいかなぁ… でも、まぁ、 いいや。 誰にも言わんし。
これでも昔は「夢みる夢子」とまで言われたんだから。
スコットランドの湖水地方の様な、なだらかな山々、
緑の草原を想像してるかって?
いえいえ。
私は工場の灰色の屋根に話しかける。
「暑いわ… あんた、 暑いでしょうに… 」
「あぁ… たまらなく暑いさ 」
返事はいっつも一言。
長い間嫌っていたから、そんなにすぐには心を開いてはくれないんだけど、
排気ダクトは愛想良く、白い煙を吐くついでに唄ってくれる。
「奥サンヨ〜 オレはァ〜 これでもォ〜 陽・気・な タチさ〜♪」
想像で補えないのはただ一つ。 それは、「匂い」ってやつよ。
こいつはどうにもならない。
思いっきし叫んでやるんだ。
「おまえ、くさいゾー!」
赤毛のアン 〜毎日読むアン〜
確かにあんたは名前を付ける名人だけど、
あまりにロマンティック過ぎて…
まねをして名前を付けると、呼びかけるのが、
コッパずかしいことになってしまい……
やっぱり大人になった私には、ロマンティックは似合わないなぁと思う。
どんなものにも名前があるほうがいいんじゃないかしらと、
あなたは言うでしょ?
それには、賛成。
ロマンティックとは言えないんじゃないかしら、と、
ご批判を覚悟で申しますと…
我が家の空気清浄機の名は、
「消臭 太郎」
扇風機は、
「風子(ふうこ)ちゃん」
〜名は体を表す〜 って感じでしょ。
太郎の時なんか、行書体で【命名 消臭 太郎】ってプリントアウトしたんだから。
「太郎」のフィルター換えてね、とか。
「風子」は気が強いから、弱風ってことを知らないわねぇ、とか。
この前は「太郎の居り場所を変えようか」と言ったら、
窓際に追いやるような扱いだと、ひどく気を悪くさせてしまった。
本気で考えた名前もあるのよ。
子供のころから欲しかったピアノが天から降ってきた時。
つまり、いきなり"差し上げます"と言って下さる方がいたの。
ピアノの先生の生徒さんで、弾かなくなったピアノがあるけれど、
引取り手がなければ家を取り壊すときに一緒に壊すしかないって。
そんな! もったいない! かわいそう!
最後のひとつの荷物が持ち出され、ガランとした家に
ピアノだけがポツンと居ました。
連れて帰りたい……
「星に願いを」を弾きながら、私の気持ちは決まっていました。
今、ピアノは家にいます。 名前は「アントニオ」。
すっごく考えて、ぴったりだと思ってつけたのだけど、
ひとつ困ったことがあります。
アントニオ猪木の存在を忘れてました。
アントニオの紹介をすると、
「えっ…? あのアントニオ? プロレスの…?」
プロレスじゃなくてぇ、ボサノヴァの"アントニオ・カルロス・ジョビン"に
ちなんで付けたのよ、と説明するのですが…。
どうも”猪木”のほうが知名度が高くて困ります。
No.4 『第4章 アンさんよぉ〜』
確かにあんたは名前を付ける名人だけど、
あまりにロマンティック過ぎて…
まねをして名前を付けると、呼びかけるのが、
コッパずかしいことになってしまい……
やっぱり大人になった私には、ロマンティックは似合わないなぁと思う。
どんなものにも名前があるほうがいいんじゃないかしらと、
あなたは言うでしょ?
それには、賛成。
ロマンティックとは言えないんじゃないかしら、と、
ご批判を覚悟で申しますと…
我が家の空気清浄機の名は、
「消臭 太郎」
扇風機は、
「風子(ふうこ)ちゃん」
〜名は体を表す〜 って感じでしょ。
太郎の時なんか、行書体で【命名 消臭 太郎】ってプリントアウトしたんだから。
「太郎」のフィルター換えてね、とか。
「風子」は気が強いから、弱風ってことを知らないわねぇ、とか。
この前は「太郎の居り場所を変えようか」と言ったら、
窓際に追いやるような扱いだと、ひどく気を悪くさせてしまった。
本気で考えた名前もあるのよ。
子供のころから欲しかったピアノが天から降ってきた時。
つまり、いきなり"差し上げます"と言って下さる方がいたの。
ピアノの先生の生徒さんで、弾かなくなったピアノがあるけれど、
引取り手がなければ家を取り壊すときに一緒に壊すしかないって。
そんな! もったいない! かわいそう!
最後のひとつの荷物が持ち出され、ガランとした家に
ピアノだけがポツンと居ました。
連れて帰りたい……
「星に願いを」を弾きながら、私の気持ちは決まっていました。
今、ピアノは家にいます。 名前は「アントニオ」。
すっごく考えて、ぴったりだと思ってつけたのだけど、
ひとつ困ったことがあります。
アントニオ猪木の存在を忘れてました。
アントニオの紹介をすると、
「えっ…? あのアントニオ? プロレスの…?」
プロレスじゃなくてぇ、ボサノヴァの"アントニオ・カルロス・ジョビン"に
ちなんで付けたのよ、と説明するのですが…。
どうも”猪木”のほうが知名度が高くて困ります。
赤毛のアン 〜毎日読むアン〜
年を重ねてくると、10代の頃には目に留まらなかったことが見えてくる。
マシューと言えば、この世に二人といないくらい内気な男で、
何かと言えば、「そうさなぁ………」と言うだけの脇役のおじさんだった。
この内気な女性恐怖症のおじさんが、アンを気に入ってしまったらしい。
不思議だ。 どこがそんなに気に入ったのか。
マリラは、アンのおしゃべりの魔法にかけられたと言ってるけど、
「魔法」というのはまんざらでもなさそうだ。
ほら、想像してみて。
私は無類の子供嫌い、子供なんぞ騒々しいだけ。
でも独りで公園のベンチに座ると正直孤独はつらい。
すると小さなこどもが近づいてきて、身体全体からきらきら輝きながら、
懸命に私に話し掛けてくる。
足元を列をつくって通るアリさんのおさんぽ、
どこにいくのか と私に真剣な目で話している…
アリは私の靴をぐるりと迂回して行列していく。
腰をあげて立ち去ろうとしたら、
「アリさんをふんづけたらかわいそう…」
ちっちゃなこどもの目にみつめられて、私はまた座り直して、
アリを踏まないよう気を付けるだろう。
この子のアリさんを踏んづけるなど、犯罪に等しいのではと思う。
そして、こどもの話を聞き続けるに違いない。
そんな魔法がこどものおしゃべりには働いている。
それはとてもいい事だと思う。
小さなこどもを悲しませてはいけないという、
甘くて優しい魔法にかけられることは。
そして、マシューはマリラが驚くような事を口にする。
「こっちの方があの子の役にたってやれるんじゃないかね。」
本当に必要だったのは、のら仕事の手伝いをするのに役立つ、
男の子の孤児だったのに。
手違いでやって来た女の子、 魔法にかかった内気な男、
沢山の間違いと偶然が、マシューとマリラにとって必要な物を届けてくれたのだ。
本当に必要なものは、今この瞬間にも、私たちの想いの及ばない所で、
密かに送り届けられているに違いない。
この先、 アンがどれほど、マリラとマシューに喜びと温もり、
そして誇らしささえももたらすことを、私たちは知っている。
No.3 『第3章 魔法にかかった内気な男』
年を重ねてくると、10代の頃には目に留まらなかったことが見えてくる。
マシューと言えば、この世に二人といないくらい内気な男で、
何かと言えば、「そうさなぁ………」と言うだけの脇役のおじさんだった。
この内気な女性恐怖症のおじさんが、アンを気に入ってしまったらしい。
不思議だ。 どこがそんなに気に入ったのか。
マリラは、アンのおしゃべりの魔法にかけられたと言ってるけど、
「魔法」というのはまんざらでもなさそうだ。
ほら、想像してみて。
私は無類の子供嫌い、子供なんぞ騒々しいだけ。
でも独りで公園のベンチに座ると正直孤独はつらい。
すると小さなこどもが近づいてきて、身体全体からきらきら輝きながら、
懸命に私に話し掛けてくる。
足元を列をつくって通るアリさんのおさんぽ、
どこにいくのか と私に真剣な目で話している…
アリは私の靴をぐるりと迂回して行列していく。
腰をあげて立ち去ろうとしたら、
「アリさんをふんづけたらかわいそう…」
ちっちゃなこどもの目にみつめられて、私はまた座り直して、
アリを踏まないよう気を付けるだろう。
この子のアリさんを踏んづけるなど、犯罪に等しいのではと思う。
そして、こどもの話を聞き続けるに違いない。
そんな魔法がこどものおしゃべりには働いている。
それはとてもいい事だと思う。
小さなこどもを悲しませてはいけないという、
甘くて優しい魔法にかけられることは。
そして、マシューはマリラが驚くような事を口にする。
「こっちの方があの子の役にたってやれるんじゃないかね。」
本当に必要だったのは、のら仕事の手伝いをするのに役立つ、
男の子の孤児だったのに。
手違いでやって来た女の子、 魔法にかかった内気な男、
沢山の間違いと偶然が、マシューとマリラにとって必要な物を届けてくれたのだ。
本当に必要なものは、今この瞬間にも、私たちの想いの及ばない所で、
密かに送り届けられているに違いない。
この先、 アンがどれほど、マリラとマシューに喜びと温もり、
そして誇らしささえももたらすことを、私たちは知っている。

